2014年2月7日金曜日

中学生の発想力に脱帽です

昨日、Yahooのページを見ているとそのニュース記事に面白いものがありました。
『メロスの全力を検証』というタイトルだったかと思います。

内容は中学生が数学の自由研究として『走れメロス』を検証したというものです。
作中に出てくる情報を頼りにどれだけの時間でどれだけの道のりを移動したか考えてその速さを検証するという内容でした。
その結果から考察されたのは「メロスはちっとも全力で走っていなかった」ということだそうです。
死力を尽くしたとされる復路後半ですら早歩き程度だというのですから笑ってしまいました。

念のため言っておきますが『走れメロス』を馬鹿にする気は全くありません。
何を言っても名作に変わりないと思いますし、こんな検証をされるあたりが名作としての証明だとも思います。
それに検証はあくまで1つの推論を出しただけで、作中の状況が完全再現されているなどとは全く思いません。
おそらく検証した少年も同じ気持ちだと考えます。
ただ、私はこういうちょっと変わった視点というのがとても面白いと思うのです。

今回この検証をした少年は凄いです。
まず、多くの人が知っている名作を読んで検証してみようと思うあたりが面白いです。
そして作中の記述を元に日の出の時刻を計算したり平均速度を出してみたりする実行力もまた素晴らしいです。

中学生にとって『速さ』の問題は難しい分野になります。内容を理解し切れていないお子さんは多く、敬遠されがちです。
ですが、もし授業でこの検証をやってみたらどうでしょうか。
おそらくいくらかのお子さんは興味を引かれると思います。

勉強は地道な基礎練習がもっとも大切だと私は考えています。ですが授業をする上で常に考えているのはお子さんの興味を引くことです。興味を引ければ理解は格段に上がります。ですがこれが難しいのです。

今回の検証は私の発想にはないものでした。
私も『走れメロス』は知っています。同じものを見ているはずなのに、その発想が出来なかったというのは悔しい話です。
中学生の発想力に脱帽しつつ、自分への良い刺激になる話題でした。今後もっと色々考えて授業を作っていきたいと思います。

ちなみにその記事は少年のコメントで締めくくられておりました。
「『走れメロス』というタイトルは、『走れよメロス』のほうが合っているなと思いました」
ナイスセンス!