2015年8月6日木曜日

夏の日の悲劇(エアコンが壊れた日)

7月も終わりの暑い暑い日のことです。エアコンが壊れました。
世の中にはいろいろな恐ろしいことがありますが、暑い夏の日に突然「ボフッ」と音を上げてエアコンが動かなくなるというのはかなりの恐怖だと思います。

悲劇は授業中に起きました。突然のことに状況の理解が追いつきません。ですが授業中なのでまずは授業が優先です。しかしこのままいけば部屋がサウナになるのは必至、どうしたものか。まあ幸いというかなんと言うかその授業は余韻で逃げ切りました。
しかし問題は何も解決していません。この後にも授業はあります。取り敢えず出来ることをやってみます。コンセントの抜き差し、フィルタの掃除などなど。しかし駄目です。電源は入るのですが室外機が全く動かず、本体も直ぐに止まってしまいます。ここで復旧は断念しました。

となれば次の行動は大家さんにご連絡です。備品の故障なので直してくれるはず。不動産屋さんを介して連絡してもらいます。さすがにこの暑さです、ご理解いただけたようで対応してくれるとの返答がもらえました。良かったと安堵するのもつかの間、対応は翌日とのこと。十分早い対応で有難いことですが、この後に控えた授業には間に合いません。困った。

よくよく悩んだ結果、事情を伝えて振替を提案することにしました。予定の急な変更は申し訳ないことですが、事情が事情だけに納得してもらえるものと思い連絡していくと1人の生徒さんから「大丈夫です」との返事。
「暑いのは平気なので」
「・・・」
そう言われては仕方がありません。元々、授業がしたくないわけではなく生徒さんに申し訳ないかと思っての措置ですから本人が良いというなら
私が嫌がる理由はありません。
一応念押しに本当に暑いということを伝えましたが意思は変わらないようです。本当に大丈夫だろうかと不安はありましたが私も覚悟を決めました。

そして生徒さんが授業にやってきます。
「大丈夫です」
と言いながらも顔には若干の驚きの色が見えたように思いました。恐らく思ったよりも暑かったはずです。
ですが本人も大丈夫と言った手前、我慢している様子。
汗でノートがベゴベゴになりながら、シャツが体に張り付きながら、滴り落ちる雫に文字がにじみながら、開けた窓の外からはどこかでやっている花火大会の音を聞きながら80分の授業は無事終わりました。生徒さんは最後までよく頑張ったと思います。ですが私も頑張りました。2人で何かを成し遂げたような達成感を共有したかどうかは分かりませんが、教室から出たときに感じた爽快感は同じだったと思います。
兎にも角にも熱中症で救急搬送、という事態が避けれたことが一番の成果でしょう。

そして一つの修行を終えた私は後始末をして教室をいつもより早めに出ました。
なお、この日の暑い熱い授業はこの1件だけでした。

翌日には無事エアコンが復活、普通に出来る授業の有難さを感じる日となりました。

夏の暑い日の貴重な思い出です。