2014年2月28日金曜日

π(円周率)の計算をちょっと考えてみた

ふと思い立ってやってみました。
いつも生徒さんにπを使う計算は教えていますが、実のところπについてはよく分かっていません。

例えば、
無限に続く数字だといっているけど、それはどうやって証明されているのか?
10進法以外で表してスッキリ出ることはないのか?
検算方法ってあるの?
そもそもどうやって計算しているのか?
などなどです。

何となく分かるけどはっきりとは知らないことが多いです。
そんなことを考えるとちょっと気になったので一番簡単そうなπの計算をしてみることにしました。

π=円周÷直径 なので円に内接する正多角形から計算するというのは知っているのでそれでいきます。
聞いた話だとアルキメデスは正96角形まで計算したらしいのでちょっと上の正100角形に挑戦です。

さて、どうやるのでしょうか?
ここは調べずに思いつくままにやってみます。

といっても改めて考えるとそれほど難しい話でもないようです。
結局のところ問題となるのは正100角形の周の長さをどうやって求めるかにつきます。

ここからはその時考えた事です。図がないのでわかり難いですが、すみません。
各辺を1辺として円の中心を頂点とする二等辺三角形に分けます。するとそれは100個出来ます。
100個で出来ているので二等辺三角形の頂角は360度を100で割ったものです。
二等辺三角形の頂点から底辺に垂線を引きます。頂角は半分になるのでその角度を使って正弦定理より底辺の半分を出します。
それを2倍して二等辺三角形の底辺として、最後に100個分が周になるので100倍します。
これで正100角形の周の長さは求まります。最後に直径(今回は2としました)で割ればπの完成です。

さあ、後は具体的に計算するだけです。
ですが困りました。1.8度の正弦定理の出し方が分かりません。
仕方ないのでちょっと手を抜きます。
表計算ソフトの登場です。
本当に便利ですね。上の式を入力するとあっさり計算してくれました。

その結果は
3.141075907812830000000000000000

ちなみに実際は
3.141592653589793238462643383279…

なるほど小数点以下3桁までは同じと言えるようです。
正100角形までやってここまでしか合わないとは。

コンピューターの力は偉大なのでついでに正10000角形だと
3.141592601912670000000000000000

小数点以下7桁まで合うようです。
まあ、私のやり方が間違っている可能性もありますので結果の信用性は低いですが、πの凄さをなんとなく見た気がします。

ということで少し満足したのでネット検索をしてみます。
当然のごとく関連する記事が大量にありました。全然知りませんでしたが、πの計算方法は他にも色々とあるんですね。ビックリです。
そして私のやり方がダメダメだったことに気付きます。本当にダメダメです。
振り返るとちょっと恥ずかしくなる内容で、もう少し真剣に考えればよかったと思わなくもないですが、しかし試してみることに価値があると前向きに考えて良しとしましょう。
ネットで調べた結果は難しそうでしたが、やはり先人達も興味のあるテーマだったんだと改めて分かりました。
今度はこんな手抜きでなくもっとじっくり考えてみたいと思います。

でも気張らずに取り敢えずやってみるというのも良いんではないでしょうか。面白かったですし、何より余計に興味がわいてきました。
是非みなさんも何か気になったら気楽にちょっとやってみることをお勧めします。結果がどうあれ興味は増しますよ。

2014年2月21日金曜日

「あっ!」と思うためには悩むことが大切

私が勉強を教えていて一番嬉しい瞬間は生徒さんが「あっ!」と言ったときです。

塾での目的は分からなかったところが分かるようになることだと考えます。
ですから授業では基礎練習として簡単な問題もしっかり反復してもらいますが、当然それぞれにあわせた少し難しい問題にも挑戦してもらいます。
実はこの少し難しい問題というのが一番重要なのです。

明らかに難しすぎる問題というのは、実際のところは諦めてしまうというのも賢明な選択の一つです。本当はそれでも挑戦してもらいたいところですが、段階を踏まずにやる難しすぎる問題では取り組もうという気を削いでしまいます。結果的に何も考えません。そうなるといくら解説が分かりやすくてもなかなか身には付きません。

ですが少し難しい問題というのはこれまでの知識を使うことで自力で解ける可能性がある問題です。「解けるかも?」と思ってもらえれば頑張って考えて悩みます。
これがとても大事なのです。

解けるか解けないかはそれほど問題ではありません。
一所懸命に悩むことが最も大切なのです。

少し難しい問題に挑戦したけれど答えまでたどり着けなかった生徒さんに対しては少しずつヒントを与えていきます。出来るだけ答えは言いません。
そうすると生徒さんはあるとき「あっ!」と声をあげることがあります。
何かに気付くのです。
たとえ声を上げなくても、しかめっ面が急に明るくなり手も軽快に動き出すのでその瞬間はすぐに分かります。そしてこうなればしめたものです。
その生徒さんは確実に一段階成長します。

この「あっ!」という声や反応はほとんどの場合、一所懸命に悩んだ生徒さんからしか見れません。
思考することを諦めてしまった時にはまず見られません。

私たち講師は少しでも分かりやすい授業を、と心がけています。今までも色々と工夫をしてきたつもりですし、自信もあります。(もちろんいつも完璧な授業が出来ている、などと驕ったことを言うつもりはありません。今後も日々精進です。)
ですがどんなに良い説明をしたとしても、本人が悩んだ過程を経ない限りその効果は薄いと考えます。

私達は分かりやすい授業と同じく、挑戦して悩める状況を作ることを大切にしていきます。

とにかく悩んでください。
練習において解ける解けないは問題ではありません。悩むことが大切です。
そして急に道が開ける瞬間を体験してください。
それはとても気分の良い瞬間です。

2014年2月13日木曜日

カニを食べたときの話

先日、知人からカニを頂きました。
漁師さんに顔の効く方で、いわゆるB級品というやつを頂きました。
ちょっと傷がついていたりして商品にはならないけど、中身は正真正銘の越前ガニです。とても自分で買うには高すぎるものなので本当に有り難い話です。

私にとってはめったに食べられないものだけに、食べるときは万全の体制です。
やはり日本酒を飲みながら食べたいな、と思ったので時間は遅いですが仕事が終わって帰ってきた夜中に一人で黙々とむきます。

仕事で疲れていましたがテンションは高めです。ですがテンションに反して作業は極めて地味。
とにかくせっせとむきます。
上手く身が取れないものは吸い出してそのまま食べますが、しっかりお皿に貯めて食べたいので出来るだけ慎重にむいていきます。
汁が飛ばないように気をつけて、身が崩れないように力を加減して、無駄にならないように吸い出してと地味な作業を延々とおよそ30分、ついに完了です。
酷く肩がこりました。カニの汁で手が痛いです。お腹もペコペコです。

食べ方は福井の習慣にならって大根おろしと醤油に酢、カニ味噌を加えていただきます。
熱燗の準備も完璧です。

大事に食べたのですが3分ほどで食べきってしまいました。
とても美味しかったです。大満足です。
でもとても疲れました。

なので考えてしまいます。
「カニをむくのに使ったエネルギーは、そのカニを食べて得られるエネルギーより少なくない?」

ちゃんと計算していないので分かりませんけどね。
でもお宝を得るためにはそれ以上の労力が必要である、そんな教訓を学んだ気がします。

2014年2月7日金曜日

中学生の発想力に脱帽です

昨日、Yahooのページを見ているとそのニュース記事に面白いものがありました。
『メロスの全力を検証』というタイトルだったかと思います。

内容は中学生が数学の自由研究として『走れメロス』を検証したというものです。
作中に出てくる情報を頼りにどれだけの時間でどれだけの道のりを移動したか考えてその速さを検証するという内容でした。
その結果から考察されたのは「メロスはちっとも全力で走っていなかった」ということだそうです。
死力を尽くしたとされる復路後半ですら早歩き程度だというのですから笑ってしまいました。

念のため言っておきますが『走れメロス』を馬鹿にする気は全くありません。
何を言っても名作に変わりないと思いますし、こんな検証をされるあたりが名作としての証明だとも思います。
それに検証はあくまで1つの推論を出しただけで、作中の状況が完全再現されているなどとは全く思いません。
おそらく検証した少年も同じ気持ちだと考えます。
ただ、私はこういうちょっと変わった視点というのがとても面白いと思うのです。

今回この検証をした少年は凄いです。
まず、多くの人が知っている名作を読んで検証してみようと思うあたりが面白いです。
そして作中の記述を元に日の出の時刻を計算したり平均速度を出してみたりする実行力もまた素晴らしいです。

中学生にとって『速さ』の問題は難しい分野になります。内容を理解し切れていないお子さんは多く、敬遠されがちです。
ですが、もし授業でこの検証をやってみたらどうでしょうか。
おそらくいくらかのお子さんは興味を引かれると思います。

勉強は地道な基礎練習がもっとも大切だと私は考えています。ですが授業をする上で常に考えているのはお子さんの興味を引くことです。興味を引ければ理解は格段に上がります。ですがこれが難しいのです。

今回の検証は私の発想にはないものでした。
私も『走れメロス』は知っています。同じものを見ているはずなのに、その発想が出来なかったというのは悔しい話です。
中学生の発想力に脱帽しつつ、自分への良い刺激になる話題でした。今後もっと色々考えて授業を作っていきたいと思います。

ちなみにその記事は少年のコメントで締めくくられておりました。
「『走れメロス』というタイトルは、『走れよメロス』のほうが合っているなと思いました」
ナイスセンス!