2013年11月29日金曜日

シュークリームを買ったときの事

先日、講師の一人がコンビニでシュークリームを買って車で食べました。
おやつを食べた、というそれだけの話なのですがちょっと思うところがあったらしく私にその話をしてくれました。

某有名コンビニでシュークリームを買ったのですが、お会計のときにレジで「おしぼりは要りますか?」と聞かれました。直前に手を洗っていたので不要と考えて「要りません」と答えたのですが、店員さんはちょっと考えてから「一応入れておきますね」とこちらの返事を無視しました。「どうせ入れるなら何故質問した?」と少し不満に思ったのですが特別議論することでもないのでそのままにしておきました。
その後、車に戻りシュークリームを食べました。美味しかったです。ただ問題発生です。クリームがはみ出て手についてしまったのです。そこで気付きます、おしぼりが入っていることに。
講師は考えました、「店員さんはこれを予測していたのか!」と。

講師が「おしぼり」と言われたときに考えたのは食べる前に手を拭くことですが、店員さんが考えていたのは食べた後に汚れた手を拭くことだったようです。お客さんの意見を無視してでもおしぼりを入れた店員さんは偉かったのです。

日常の些細な話ですが、講師は大事な教訓を学んだと感じました。

「たとえ相手に嫌がられても正しいと思ったことはするべきだ!」

塾で授業をしていると基礎練習を嫌う生徒さんはよくいます。その必要性を説くのですが伝わらないこともあります。そんな時、仕方なく違うことをすることも出来ますがそれでは駄目なのです。やはり必要なことは必要だという信念を貫くことが大切なのです。
そんなことを考えたそうです。

もちろん全て自分が正しいと考えることは大きな間違いですし、状況によって変わります。当然、独りよがりになってしまっては意味がありません。ですが目先のことだけでなく先々を考えて信念を持って臨むことは絶対に必要です。

今回はシュークリームを買った事が大切なお子さんの将来を預っているという自覚を失くさず、これまで通り先々を見据えて信念を持って取り組んでいこうと改めて考える切欠になったというお話でした。
しかしまあシュークリームは食べづらいですね。

2013年11月22日金曜日

火をおこす挑戦

前回、焚き火のことを書いていたら思い出してしまったので今回は火をおこすことについてちょっと。

「火をつける」というとマッチやライターでしょう。とても便利な道具です。
でも「火をおこす」というと人力な感じがするのは私だけでしょうか?

焚き火が好きだと前回書いたのですが、こだわりとして出来ればマッチやライターを使わず火をおこしたいと考えていました。現実にはなかなか難しかったのですがちょっと挑戦はしました。出来れば人力が望ましいですが、取り敢えずこだわらずいくつか。

まずは「火打石」です。時代劇なんかではよく見るのですが、実際に買おうとするとどこにあるのかよく分からず困りました。最終的には父が仏具関係のお店で見つけてきたのですが、あまり火花が上手くとばずちょっと試して放ったらかしになりました。

次に「太陽光」です。皆さんやったことはあると思いますが、虫眼鏡を使うあれです。焦げはするのですがなかなか炎にするのが大変なのと、当然晴れていないと使えないので他も考えることにしました。
ちなみに、光を集める方法としてはもう一つ懐中電灯を使うと言うものがあります。懐中電灯を分解して光を前に飛ばすためのカップ状になった反射板(?)を使います。これは電球から出る光を平行光線に変える為のもので、逆に使うと平行に入ってきた光(太陽光など)を一点に集める働きをしてくれます。太陽に向けて電球のついている位置に燃やしたいものを持ってくるとというやり方です。やってみると直径10センチほどのものを使えばタバコぐらいなら簡単に着火できました。問題は結構大きいので携帯に不便なことです。更に余談ですが、オリンピックの聖火はこの方式でつけるようです。

そしていよいよ基本に立ち返り原始的な板と棒でクルクル回すあれです。学校だかどこかで一度やって事はあったのですが、かなり体力がいります。やはり紐などを巻きつけて使っても大変です。あと、実際にやってみると適している木材というのがあるようで適当にやってもあまり上手くいきませんでした。
ちなみにこれはちょっと脱線したトライもしました。手で回すのが大変なのでドリルに木の棒をつけて高速回転させる方法です。予測では電気の力でたちまち火がつくと思ったのですが、やってみると全くダメでした。考察としては一方向にだけ回転し続けると接地面が磨かれたような状態になってしまい摩擦が減るのでダメということです。何でもやってみないと分からないですね。

他にもライターについているような圧電効果を利用した方法や金属に電気を流して発熱させる方法なども構想はしたのですが、手間がかかるので後回しにした結果まだやっていません。いずれやってみたいのですが、いつになることやら。

またとりとめのない話になってしまいましたが、まとめると「何でもやってみると面白い」ということです。
些細なことでも挑戦して上手くいったり、予想外のことが起こると楽しいですよ。

2013年11月15日金曜日

父のことを少し

もうすぐ私の父の命日です。
思えば今こうして私が福井で塾をやっているのも、父が病気になったということがはじまりだったのかも知れません。元々は県外で勤めていたので何もなければ福井には帰っていなかったかも知れないのです。
父の闘病生活は大変でしたが、愚痴っても結果が変わるわけではないので良かった事だけ考えたいと思います。そうしてみると今、こうやって塾をやれていることは幸せだと言えます。

というわけで父のことを少し話してみたくなりました。
父はおそらく少し変わった人だったようです。あまり空気の読めるタイプではなく、話好きですが聞くのは下手です。理系の人間で機械いじりや工作が好きでした。流行には疎くて自分の好きなことを貫く人で、よく私と一緒に子供っぽいことに一所懸命になってしまうような人でした。

小さい頃から子供の面倒見は良く、週末には必ずと言っていいほど遊びに連れて行ってくれました。ただ遊園地やら動物園のようなお金のかかる施設に行くことはほとんどなく、基本的には公園や広場などです。そしてそこでする遊びも普通だったらキャッチボールとかサッカーではないかと思うのですが、我が家の場合はフリスビーやアスレチックでした。
小さい頃からそうだったので疑問も持ちませんでしたが学校の友達と遊ぶようになると、ほとんど経験がないため野球やサッカーが下手で苦労したのを覚えています。

父は読書好きでした。小説はほとんど読まないのですが、それ以外はほぼノンジャンルで様々なものを読んでいました。しょっちゅう図書館に行っては家族のカードまで使って鞄いっぱいに本を借りてきます。そして暇さえあれば何かしら読んでいるのです。
普段は気にしないのですがある日、ちょっと気になるタイトルの本を読んでいたので「あとでどんな内容だったか教えて」と告げ、後日内容を聞いたのですが父の答えは「忘れた」というものでした。何のために読んでいたのでしょうか?

私が大きくなってからも父と出かけることはよくありました。
長い間つづいた遊びの一つが「焚き火」です。
近所の川に出かけて中洲のようなところに行きます。流木を拾い火をつけて、それをいじっているだけの遊びです。
そんなことを続けているとこだわりが出てくるもので、私達の中ではいくつかルールのようなものが出来てきました。燃料は持っていかない、マッチ一本で火をおこす、ゴミを燃やしたりしない、といった感じで本当に焚き火自体を楽しむという内容です。しかし適当なルールなのでそれに外れることもしばしばありましたが、あまり気にしません。
焚き火をするならやはり秋が良いです。気温だけでなく個人的には春よりも秋の少し物悲しい感じが合っているように思います。当然夏場は暑くてかないませんし、冬だと福井は天気が悪く雪もあるので大変です。時間帯は日没前後から夜にかけてが最高です。あたりが暗くなるにつれて火の表情が変わっていくのはとても綺麗です。その上、徐々に星が見えてくると最高です。
基本的には火を楽しむので何をするわけではありませんが、あるときは川の釣り人から鮎を買ってその場で焼いて食べました。さぞ美味しかろうと思いきや、塩を持っていなかったのであまり美味しくありませんでしたけど。塩って大事なんですね。
ちなみに川での焚き火がしてもいいものなのかはよく知りませんので真似しないようにお願いします。私の場合はもう10年は前のことですので時効かと思っております。それに中洲のようなところは川に囲まれていて、増水時には水没するところなので延焼の危険はなかったと思います。

何だか命日が近いせいか色々なことを余計に思い出してしまいますが、長くなってきたのでこんなところにします。
相変わらず塾のブログとは思えない内容ですが、お付き合いいただいている方がいましたら有難うございます。

2013年11月8日金曜日

漫画のススメ

漫画というとあまりいい顔をされない保護者さんもいらっしゃいますが、そういわずちょっと聞いてください。

先日やっていたテレビ番組の中で脳科学者の茂木さんが「漫画は脳に良い」と断言していました。
まず漫画の方が文字だけに比べて1分間に得られる情報量が倍であること、また記憶に定着しやすいことなどを挙げていました。加えて様々な絵の表現から心情や状況を読み取ったり、静止画から動きを感じ取るなどすることは脳の刺激としてとても良いとの事です。
もちろん脳を刺激しただけで知らない知識が入ってくるわけではありませんので勉強もしなければいけません。ですが漫画を読むことはそれ自体で脳トレになるということのようです。なおクレームがある場合は茂木さんにお願いします、全部引き受けると仰ってましたので。

まあ、そういうことですのでここからは気兼ねなく漫画を紹介したいと思います。

私自身が漫画好きなので結構色々と読むのですが、その中でどうしても学生の皆さんに紹介したい作品があります。もう少し詳しく言うならある作家さんの一連の作品群と言った方がいいのかもしれません。

著者は、「あさりよしとお」氏です。この人の描く科学漫画はとても素晴らしいです。

まず「まんがサイエンス」シリーズ。
元々は学研の科学にて連載されていた作品ですのでメインターゲットは小学生です。ですから小学生でも分かるように描かれているのですが決して子供だましはせず、真摯に作られた作品で大人が読んでも物足りないと言うことはまずありません。テーマも最近ホットな放射能から、身近な電池だったり体の免疫だったりと様々です。
現在までに14巻発売されていますが、私は特に2巻の「ロケットの作り方おしえます」が大好きです。基本的には1話に1テーマ完結で描かれているのですが、これは12話使ってロケットに迫るちょっとした長編でした。私はこれを小学生のときに読み、凄く影響を受けました。私が理系に進学する一因になったとも思っています。
というのもとにかく科学が楽しいのです。当たり前と思っていることに疑問を発見し、それを科学で解き明かしていくお話は私の中では冒険物語のようにワクワクするものでした。
理科嫌いのお子さんもいるようですが、学校でつまらなくなる前にこれを読むことはとても意味かあると思います。

次は「なつのロケット」です。
小学生が夏休みの自由研究でロケットを作るお話です。1巻完結です。
普通に考えれば無理です。でも本作では本物のロケットエンジニアが協力して実現可能かもしれないロケットを考え、それをベースに話が展開します。もちろんフィクションですが科学を分からない人が描いた荒唐無稽な話ではないのでとても面白いです。
ちなみに作者はこの話をきっかけに「なつのロケット団」を結成して本当にロケットを作っています。まだ完成してはいないようですが、かなり本気の活動でこちらも面白いです。漫画ではありませんがその様子は「宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた: 実録なつのロケット団」に記されています。

そしてそして「小惑星に挑む」です。
話題となった小惑星探査衛星はやぶさのお話を1冊にまとめたものです。
宇宙でたまたまはやぶさを見つけた異星人2人の視点で描かれた、はやぶさモノとしてはちょっと変わった作品です。ですがその設定のおかげではやぶさを科学的に掘り下げることが出来てとても面白いものになっています。かなり難解な話も出てくるので小学生には難しいかも知れませんがそれでも読んで欲しいと思える作品です。

最後に「アステロイド・マイナーズ」。
現在は2巻まで発売していますが、続くのかは不明です。基本的にオムニバスですのでどこから読んでも一応大丈夫な作品です。
内容は宇宙に進出していく近未来の人間を描いた、宇宙日常モノです。人間が宇宙に乗り出していくことがいかに困難で苦しいことなのかリアルに描かれており、SFで知っているような宇宙の常識を打ち砕いてくれる本物の科学漫画です。
宇宙に出るというのは地球での常識が通じなくなるということ、それを見ることで自分達の生活を見つめ直すことも出来る良作です。こちらも内容はかなり難しいですが多くの人に読んでもらいたいです。

他にもまだお勧めはあるのですが、ひとまずはここまでにしておきます。
今回紹介したのは科学モノばかりです。是非お子さんに読ませてあげて、理科嫌いな子などいない日本にしてほしいと思います。
科学も漫画も好きな講師からの願いでした。