2016年5月11日水曜日

好きな科目、嫌いな科目

私が生徒さんによく聞くことの1つに好きな科目と嫌いな科目の話題があります。得意科目と不得意科目と言い換えても実際はあまり違いがないことが多いですが、本当はちょっと意味が違うのでこのように聞きます。

「どの科目が好き?得意でなくてもいいんだよ」

そうすると色々な答えが返ってきます。
よく悩んだ挙句に
「給食!」
と元気に答えてくれた子は大物だったのかもしれません。
他にも音楽や体育などの答えも返ってくるので条件をつけて「5教科でお願い」というとしぶしぶ数学だったり英語だったりが返ってくることもあります。私自身は理数が好きだったのでそんな話をしながらあわせて
「じゃあ嫌いな科目は?」
と続けます。この質問には多くの子がサッと答えてくれます。本当に嫌いなのがよく伝わってきてちょっと心配です。

でも大事なのはここからです。さらに続けて
「なんで?」
と聞くと嫌いな科目の理由は驚くことに多くの生徒さんが同じことを言います。

「科目の先生が嫌いだから」

もちろん覚えるのが苦手とか興味がないという理由も出てきますが、それだけでは終わらず上記の答えがセットになっていることが多いです。
そして好きな理由でも「科目の先生が面白いから」といった答えはしばしば聞かれます。

これはとても恐ろしいことだといつも思います。
勉強の中身でなくそれを指導する人が嫌いだという事でその科目も嫌いになってしまうのです。
決して学校の先生の悪口を言いたい訳ではありません。実際に同じ授業を受けても良し悪しの感じ方は人それぞれですから。ただ考えなくてはいけないのは教える側の影響力です。
一概には言えませんが、やはり嫌いな科目は成績が伸びづらい傾向にあると思います。出来なくてもいいので嫌いにならないでほしいというのが私の思いです。

ですから私が授業をするときに意識していることの1つは私が嫌われないことです。上手く出来ているかは分かりませんし、こういう言い方だとただ媚びているように聞こえなくもないので誤解されないか心配ですがそういう訳ではありません。注意すべきことは注意しますし、厳しく指導することもあります。ただ、合間に雑談をする事とその科目のどこが面白いか余談を入れるようにしています。私自身や科目自体に興味をもってもらうかとが狙いです。

塾としてやるからには成績を上げることは絶対条件です。
ですが私の願いとしては私の影響でその科目が好きだという生徒さんが1人でも出来ることです。なかなか道は険しいですがこの仕事を選んだ以上諦めたくないですね。