2014年2月21日金曜日

「あっ!」と思うためには悩むことが大切

私が勉強を教えていて一番嬉しい瞬間は生徒さんが「あっ!」と言ったときです。

塾での目的は分からなかったところが分かるようになることだと考えます。
ですから授業では基礎練習として簡単な問題もしっかり反復してもらいますが、当然それぞれにあわせた少し難しい問題にも挑戦してもらいます。
実はこの少し難しい問題というのが一番重要なのです。

明らかに難しすぎる問題というのは、実際のところは諦めてしまうというのも賢明な選択の一つです。本当はそれでも挑戦してもらいたいところですが、段階を踏まずにやる難しすぎる問題では取り組もうという気を削いでしまいます。結果的に何も考えません。そうなるといくら解説が分かりやすくてもなかなか身には付きません。

ですが少し難しい問題というのはこれまでの知識を使うことで自力で解ける可能性がある問題です。「解けるかも?」と思ってもらえれば頑張って考えて悩みます。
これがとても大事なのです。

解けるか解けないかはそれほど問題ではありません。
一所懸命に悩むことが最も大切なのです。

少し難しい問題に挑戦したけれど答えまでたどり着けなかった生徒さんに対しては少しずつヒントを与えていきます。出来るだけ答えは言いません。
そうすると生徒さんはあるとき「あっ!」と声をあげることがあります。
何かに気付くのです。
たとえ声を上げなくても、しかめっ面が急に明るくなり手も軽快に動き出すのでその瞬間はすぐに分かります。そしてこうなればしめたものです。
その生徒さんは確実に一段階成長します。

この「あっ!」という声や反応はほとんどの場合、一所懸命に悩んだ生徒さんからしか見れません。
思考することを諦めてしまった時にはまず見られません。

私たち講師は少しでも分かりやすい授業を、と心がけています。今までも色々と工夫をしてきたつもりですし、自信もあります。(もちろんいつも完璧な授業が出来ている、などと驕ったことを言うつもりはありません。今後も日々精進です。)
ですがどんなに良い説明をしたとしても、本人が悩んだ過程を経ない限りその効果は薄いと考えます。

私達は分かりやすい授業と同じく、挑戦して悩める状況を作ることを大切にしていきます。

とにかく悩んでください。
練習において解ける解けないは問題ではありません。悩むことが大切です。
そして急に道が開ける瞬間を体験してください。
それはとても気分の良い瞬間です。