2014年3月6日木曜日

1対1授業に決めた理由(分からないところを見付ける事)

勉強すると言うのは大きく分けて
①新しいことを学ぶ
②分からないことを分かるようにする
の2つだと思います。

私達の塾が1対1授業に決めたのは特に②をしっかりやりたいと考えているからです。
もちろん①についても反応を見ながら説明が出来るので1対1授業であることに大きな意味を感じていますが、それよりも②の方が難しいからです。

当然ですが分からないところというのは人それぞれ違います。ですからそれを考えずに間違っているから正しいやり方を教えて終わり、というだけではなかなか身に付きません。
根本的に何が分からないのか原因追求をしてそれを解決するというのがとても大事になってきます。しかしこれがとても難しく大変な仕事になります。
分からない問題を抱えているお子さんのほとんどは何が原因で困っているのか自分でも分かっていません。だから探してあげないといけません。

以前に小学生のお子さんを教えていたときに気付いたことです。
算数の工夫する計算という分野でした。
4×13×25=
のような計算問題があります。
左から順番に計算していっても当然解けますが、ここで大切なのは掛け算は順番を換えても大丈夫というルールを使って
13×4×25=13×100
と先にしてしまうことです。そうすれば最後に残るのは
13×100=1300
というとても簡単な計算だけになります。
おそらく出題の通りに左からやると途中で筆算をする必要が出てきますが、順番を換えるだけで簡単に暗算できてしまいます。

小学生ですと「4×25=100」がすぐに思いつかないことはよくあるので、まずそこを指導します。そして「×10とか×100を先に作ると計算が簡単になるよ」とそれを探すように指導していきます。
通常ですと「=100」となる計算を見つける練習をしていけば出来るようになっていくのですが、それでもよく間違えてしまう子もいます。

このときに原因追求の大切さを改めて実感しました。

実はこの問題をミスしてしまったお子さんの根本原因は「=100」となる部分を見付けられないのではなく、「×100」の計算がちっとも簡単でなかったということなのです。
はじめは気付かなかったのですが、計算ミスした問題をもう一度やってもらうと端の方に筆算をはじめました。取り敢えず何も言わずに見ているとそれは「×100」の筆算だったのです。
やっと気付きました。
つまりその子にとっては「52×25」も「13×100」も同じくらい手間なものでしかなかったのです。
本質的に工夫する意味がなかったわけで、計算が楽にならないのですからミスしやすくなって当然です。

ノートの確認はするのですがそこでは気付きませんでした。なぜなら筆算を消してしまうお子さんはしばしば居るからです。

基本中の基本だとこちらが思っていることにこそ落とし穴はよくあります。
基本的な内容の抜け落ちはなかなか本人にも気付きづらく、時には恥ずかしくて言えない事があります。
そのため1対1授業でしっかり見ることが大切なのです。
どんなところで躓いていても気にする必要はありません。むしろそれが発見できないことのほうが問題です。
会話の中で思わぬことを言ってきたり、図の中に思いもかけない線を書き足したりするような些細なことを見つけたときがチャンスです。

もちろんいつでも的確に見つけて指導できているわけではありませんが、大勢の中では埋もれてしまうものを多く見つけられているとも思っています。

だから私達は1対1授業に決めたのです。