2015年7月2日木曜日

調べる能力

勉強をするというのは知識を蓄えたり、思考力をつけたりすることだと思います。
私も生徒さんに勉強を教えるときに「この用語の意味は必ず覚えておいて」とか「この考え方大事だよ」などとよく言います。身につけて使えてこその学力だと思いますが、実際に全てをしっかり覚えているというのはとても難しいことだとも思います。

ということで実はとても大事なのが「調べる能力」だと考えます。
そしてこれは覚えきれないから調べる、というだけではなく勉強をする上でも必要な能力なのです。

元々、勉強をするというのは分からなかったことを分かるようにすることだと思います。一所懸命に考えるだけで分かるようになるのなら良いのですが、多くの場合は人や書物などに教えてもらうことで分かるようになっていくと考えます。しかし残念なことに都合よく教えてくれる人が近くにいるという状況は少ないもので、あれやこれやと調べて学ばなければいけないことが大半です。

そんな時に必要なのが「調べる能力」、目的のものを探し出すというのは結構難しいことなのです。

例えば数学の問題です。解き方が分からないときには教科書やワークを調べることは有効ですが、全く同じものが載っていることは稀です。そうすると類題を探すわけですが、問題の構造が全く分かっていない人には類題を見つけ出して解き方を知るということは出来ません。類題を探すためには問題のポイントをある程度抑えている必要があり、またどの辺りにそのジャンルがあるのか予測する必要もあります。ということは調べて解けるようになること事態が勉強になるのです。

私の話ですが、先日マクロの勉強をはじめたという内容のことを書きました。今でも継続中ですが、もともと知識が全くないに近い状況からはじめているので分からないことばかりです。知らないことはいくら考えても分からないので調べるわけですが、それにはインターネットがとても役に立ちました。いろいろな人が多くの情報をアップしてくれており、私が困っていることはだいたい誰かしらが同じように困っていて、また誰かしらが答えてくれています。私はその情報を自分用に直して使えばいいわけです。
ただそれにはいくつか問題があります。まずは自分が知りたいことと全く同じことがそのまま載っていることは少ないということです。答えの丸写しはなかなか出来ず、類題から自分の問題に合うように直さなければいけません。
そして有難い反面とても困るのが、情報が多くありすぎることです。多くの類題から自分に合うものを探し出すのは結構大変です。時には内容が間違っていることもあり、数多の情報の取捨選択は一苦労です。
ですがこれらの苦労は日に日に減っていきます。自分が内容を少しずつ理解していくので調べる精度が上がってくるのです。何かが分かるようになったと実感するよりも先に、調べる時間が短くなっていくことで自分の成長を感じることが出来ました。

生徒さんから「勉強の仕方が分からない」といった言葉はしばしば聞きます。その答えの1つは「調べる能力」を鍛えることだと考えます。