2013年8月29日木曜日

福井からは遠くて見えないけれど

夏の青い空に飛び立つロケット、何故か私は風情を感じてしまいます。
と言っても実際に打ち上げを見たことは無く、映像だけなんですけどね。

今回はイプシロンロケットの打ち上げが話題となっており、私もワクワクしていました。残念ながら延期になってしまいましたが、ロケットの打ち上げに延期は鰻に山椒ぐらい付き物ですのですので我慢しましょう。ただ、夏休みを利用してわざわざ見に行っていたお子様達には可愛そうなことです。

私は宇宙が好きなのでロケットも好きです。学生時代には友達と福井から車を使って種子島の宇宙センターまで遊びに行ったこともあります。残念ながら打ち上げ日程とは合いませんでしたが、発射台に据え付けられたロケットを見ることは出来ました。そしてそこではNASDA(現JAXA)職員の食堂が一般人も利用可能でして、職員に紛れてカツ丼を食べたのは良い思い出です。

ところで今回の打ち上げは久々にマスコミも大きく取り上げており盛り上がっている印象ですが、皆さんはこれまでとどう違うのか知っていますか?
まあ、問いかけている私自身それほど詳しいわけではないのですけどうろ覚えの知識を少しだけ。

単純にまとめると小型で安価だと言うことです。
そもそもロケットとは単なる輸送機械であって、意味合いとしてはトラックと変わりません。ただお届け先が宇宙というだけなのです。
今まで日本が持っていたのは大型の10tトラック(H2-A)だけだったので今回はじめて軽トラ(イプシロン)を作ってみたと言うことです。当然運べる荷物は減りましたが、費用も安く済みました。
これが上手くいけば小さな荷物も気軽に送れるようになるという寸法です。

まあ小さいと言っても全長で25mほどありますので、あまり小さい印象はないかも知れませんがH2-Aが50m以上ありアポロ計画等で活躍したサターンVは100m以上もあったことを考えるとやっぱり小さいんでしょう。
でもこの小さなロケットには大きな期待が込められています。

元々日本のロケット開発は世界でも珍しく軍事目的でないところからはじまり今に至ります。
世界の国々が巨額の軍事予算で開発したのに対して日本は少ないお金でコツコツやってきました。様々な困難にさらされながらも国産技術にこだわり続け、今では世界トップクラスの技術力を有しています。
そのスタートとなったのは新潟県の・・・ と、まあここら辺の話はしだすと限がないので今回は割愛しますが、日本人なら是非みんなに知っておいて欲しい内容です。良かったらどっかで調べてみてください。

さて話が少しそれましたがイプシロンが成功すれば日本はまた一つ大きな力を手に入れたことになります。
これは単なる技術向上という意味合いだけでなく、商業的にも意味のあることです。今までは巨額の費用に断念していた小規模衛星の輸送を一手に担えるわけです。お客さんは世界中、これはいけるでしょう。

そんなこんなで注目のイプシロン打ち上げですが台風の影響でまだ少し延びそうです。ですがあわてて失敗するよりも確実に成功させて欲しいので温かい目で見守りたいと思います。
だからと言って失敗したら非難!、ではないですよ。新しいことに挑戦するときに失敗は付き物です。失敗が嫌なら新しいことをやらなければいいだけです。でもそれではつまらない。世界に比べて少ない予算で開発されてきた日本ロケットですが、その成功率は決して劣るものではありません。真の意味で温かい目で長い目で見守って欲しいと切に願います。

ちなみに打ち上げにおいて台風で心配されるのは風ではなくて雷です。宇宙まで行く力があるので多少の風なら問題ないですが、雷でコンピュータが壊れてしまってはどうにもならないという訳です。