2013年7月18日木曜日

正しい塾の選び方 料金編(おまけ)

皆さんが塾で使っている教材に値段が書かれていないことにお気づきでしょうか?
本屋さんで売っている問題集や参考書には本の裏を見れば値段がありますが、塾の教材には大抵ありません。

今回はこの教材の話を少ししたいと思います。

料金編のはじめに色々な名目の料金が上乗せされる話をしましたが、その中でも「教材費」にご注意ください。
この教材費はどの項目よりもはるかに高額になるケースがあります。

だいぶ前のことですが私の勤めていた塾に説明を聞きに来てくれた方がいました。その方がまず私に尋ねてきたのが
「教材費はどれぐらいかかりますか?」
というものでした。
その時に私がいた塾では1教科当たり2~3000円のワークを購入してもらい1年間使うというスタイルだったのでその説明をしました。すると
「本当にそれだけですか?」
と続けてこられました。そこで通常授業とは別に夏期講習などする場合には別途かかることもあるのでその話もしたのですが、どうにも警戒している様子が変わらなかったのでこちらから
「何か気になる点でもありますか?」
と尋ね返すと
「実は前の塾では何十万もする教材を買うように言われたもので・・・」
それを聞いて私は絶句しました。
教材費が高いところがあるとは聞いていましたがそこまでとは。
そしてやっと保護者さんの心配が分かったのです。

当時の私は知らなかったのですが、塾の経営方針として「教材費で儲ける」という仕組みがあったのです。
なかなか上手い仕組みです。

「授業」という「形の無いサービス」よりも「教材」という「商品」の方が売りやすいということなのでしょう。
加えて塾は授業を売るもので教材は付随する経費という感覚があります。授業に必要なものを買うのであって、塾が教材で儲けようと思っているとは考えない方もいるようです。そして教材は本人が使うものなので本人が負担することにもそれほど抵抗はないのかも知れません。

ですが実際は上手くやれば教材はとても儲かるのです。

はじめに書いたように塾の教材には大抵値段の表示がありません。これは教育関係者にだけ卸すもので、書店にはないものだからです。そして塾が好きな値段で販売できるようにしている仕組みなのです。

別に悪いことだとは思いません。授業料を少しでも安く見せようという企業努力です。
ですがこちらまでそれに乗せられる必要はありません。
それに中には仕入れ値の何倍もの値段で教材を販売している塾もあるので、それには賛同しかねます。

そして注意しなければいけないのが、前述の何十万もする教材を売るような塾です。
このような塾は経営の本体が出版関連の場合があります。はじめから教材を売ることが目的の塾なのです。
別にそのやり方を批判するつもりは全くありませんが、突然にそんな高額な話をされると驚いてしまうでしょうから注意が必要です。
まあ、素晴らしい教材なのかもしれませんが数千円でも十分立派な教材はありますので何十万もかける必要はないかと私は思います。

また教材をあまり褒める塾も考えものです。
「お子様1人でも進められる教材です」という売り文句は講師の質が低いということの裏返しに感じます。

私自身も優良な教材は常に探していますが、あくまでも授業に使いやすいという基準で探しています。
自宅で取り組むのであれば1人で進められる教材は大切ですが、塾でそれが必要かというと疑問です。

塾選びの際には教材費も塾の大事な利益であるということと、どんな教材を使う塾が望ましいのかを考えるといいと思います。