2016年4月27日水曜日

「どうすれば出来るのか考えろ!」

会社員時代に上司から言われた言葉です。

「出来ない理由は聞いていない、どうすれば出来るのか考えろ!」

仕事をしていく上では同じことばかりやっていれば良いという訳ではありません。新しいことをしていかないと生き残りは難しくなっていきます。しかし新しいことには困難が付き物だという難点があります。
困難に際して人は消極的になりがちだと思います。つい出来ない理由をあげつらって、結局新しいことははじめないというのはよくある話だと思います。

そんなときに上記の言葉です。とても前向きで希望に満ちています。止める事を考えるのではなく、進む事だけ考えるのです。
私はこの言葉に感動しませんでした。

捻くれ者で御免なさい。
でもどうしても納得できないのです。
だって、どうしたって出来ないことや出来ない方がいいことだってあると思うんです。

例えば某自動車会社では達成不可能な燃費性能の実現を業務命令にされました。でも出来ないとは言えないので偽装しました。
例えば某国では勝ち目のない戦争を回避するための議論が行われました。ですが途中からどうすれば会戦できるかに議論がすり替わって、結果惨敗しました。
(上記の例は個人的見解です。悪意はありませんのでご了承ください)

「どうすれば出来るのか考える」というのはとても大切だと思います。ですが、そのときにはマイナス要因も考慮には入れることがもっと大切だと思います。盲目的に進むのではなく止まる勇気と進む勇気を併せ持ち、現状を冷静に判断するという事こそが大切なのです。

イケイケ上司に振り回された過去を思い出しながら、自分は冷静に判断できる人になれたのか、ただ消極的な人になっただけなのか自問しています。