2016年3月23日水曜日

私の友達 笠山君(仮名)編

前回友達の話をしたので、ついでに1人ご紹介です。

笠山君(仮名)と私は小学校からなのでもう数十年の付き合いになります。高校、大学、社会人と違うところだったのですが意外とちょこちょこ会っていた気がします。友達5人と福井から車で屋久島に行くなんて大学生らしい遊びもしましたが、それよりただ会ってウダウダするようなことの方が多かった気が?
お互いに漫画好きなことや同じ塾に通っていてその先生(ヴァーチャルノートの先生です)を気に入っていたことは大きな共通点といえるかもしれませんが、それ以外で何がそんなに合うのか改めて考えるとよく分かりません。でもこういうのが気が合うって事なんですかね?
ときどき福井に帰省してくると合間に会いにきます。私の優先順位は極めて低めですがマメに顔を出してくれるのは有難いです。でも合間なので変な時間なこともしばしばで、夜遅くに会うことも。そんなときはよく足羽山のお墓に出かけます。本当だったら一緒に会いにいっただろう塾の先生のお墓がそこにあるからです。そこに先生が居るとは思いませんが、何となく会いにいきそこで数時間話し込んだりします。深夜の墓場は静かで暗くて星が綺麗です。先生も星が好きな人で塾が終わったあと一緒に夜空を見上げて難しく楽しい話をしてくれました。笠山君(仮名)と話し込むにはうってつけの場所なのです。

そんな変なところで気の合う笠山君(仮名)ですが、彼はいわゆるエリートです。
現在彼はお医者さんです。奥さんもお医者さんでもうすぐ3人目のお子さんが生まれる予定です。なんとも憎たらし…羨ましいことです。

そしてお医者さんになるぐらいですから当然勉強が出来ました。本人曰く天才型ではなく努力型なのだそうですが優秀なことには変わりないのでしょう。
ですが私は知っています。彼がとてつもなく運転が下手だったことを。

大学生の頃です。私より遅くに運転免許を取得した彼と早速ドライブに行こうということになりました。私もまだ初心者でしたが彼より早い時期に取得していたので少し先輩気分です。「どれ技量をみてやろうか」なんてふざけた気分で出かけたのですが、予想を超えていました。
あまりに下手すぎて、とてもじゃないですが怖くて乗っていられないので数百メートル走行後に運転手交代となりました。
それでも運転なんて慣れですから時間と共に上手くなるものだと思っていたら、なかなかならないのです。運転練習に付き合ったこともありますが、一度なんかはほぼ赤信号無視のタイミングで交差点を突っ切ったことが…
「おい!」と彼を見ると強張った顔で「止まれん…」と一言だけ。直ぐに運転手交代です。危うく殺されかけました。
「一生車に若葉マークを付けておきたい」と当時もらしていました。

そんな笠山君(仮名)ですが長い月日が流れて今では普通に運転しております。しかしあんなに運転の上達が遅い人は他に知りません。

ここから学んだ教訓が2つ。
1つは、頭が良いからって何でも出来るわけではない。人には向き不向きがあるのです。逆に言えば勉強が不得意でも他人より優れた才能は他にあるかも知れないのです。
2つ目に、どんなに下手でも繰り返していればいつかは出来るようになる。あの下手だった彼が今では家族を乗せて遠方から帰郷します。昔のままであったなら自殺行為ですが、今では普通のことです。今できないからといって諦めず、練習し続ければいつかできる日はくるようです。

この話はときどき生徒さんにしています。不得意なことを悲観するなと励ましたり、繰り返し練習することが大切だと日々の学習の大切さを説くのに役立っております。

彼とのエピソードはまだまだ尽きませんが、ひとまずこんなところで。

ちなみに笠山君(仮名)ですが、もう直ぐ福井に家族で帰ってきます。
地元に友達の少ない私としては遊び相手が戻ってくることを楽しみにしています。年齢を重ねて色々と昔とは違うこともありますが、相変わらずウダウダやれたら楽しいです。