2013年9月12日木曜日

私たちの塾では講師がお子様に質問します

以前に「質問をすることが大切」といった趣旨の内容を書いたことがあります。
このときに言っていたのはお子様が自分の分からないことを講師に質問することでした。それが大切なのは勿論ですが、それが難しいことも事実です。
そこで大事になると考えるのが講師がお子様に質問するということです。

授業では新しいことを教える場面も多々あります。ですが大切なのは習ったことがきちんと理解できているか、正しく使えているかです。
なので私の授業では答えあわせが一番大切です。そしてそこでは間違えたものに限らず正解したものも出来るだけ確認します。

どういうことなのか数学を例にしてみます。

まず間違えた問題ですが、この見直しが大切なのは当然と理解してもらえるかと思います。ですがこれも解き方を教えればいいというものではありません。
何が分からなかったのか、何に困ったのかを考えてもらいます。分からないポイントは様々で他人が簡単に見抜けるものではないので、自分で考えてもらうのです。ですが自分自身でも何が分からないかはなかなか明確に出来ないことがよくあります。問題の意味が分からないのか、問われていることが分からないのか、解き方が分からないのか、計算が出来ないだけなのか、これを認識してもらう為に1つひとつ質問をしていきます。「問題の内容を教えて」、「何を答えれば良いの?」、「問題内容を図に描ける?」、「答えの単位は?」、「この文字式の意味することは何?」などなど。
そうすると、時には単純に漢字が読めなかっただけということもありますし、もうほとんど答えが出ている場合もあります。
大事なのは自分が何に困ったか気付き、それが解消されることです。
ただ解法を知るのではその問題が解けるだけで、類題は解けないということが良くあります。それは解法を聞いて分かった気になっただけで、自身の問題が解決していないからです。
私達が目指すのは『その1問』が解けることではなく、『その種類の問題』が解けることです。そのために講師はお子様の理解度を測るための質問をします。そしてそこから自分でも自身の理解を認識してもらいます。そうすることで単なる解法ではなく考え方が身に付いていくのです。

また正解した問題も見直しは大切です。
これはたまたま正解した、パターンで解けてしまったなどということがあるからです。
内容は間違っているのにたまたま答えだけ正解しているというのは一番困ります。しかしただ答えあわせだけしている時、特にお子様が1人で答えあわせをした時などは見過ごされてしまうことが良くあります。結局のところ出来ていないわけですので放置されてしまうととても危険です。
パターンで解けてしまっているものについては必ずしも悪いわけではありません。ですがこの場合は応用問題になるとだいたい通用しなくなってしまいます。なのでどうやって解いたか確認することはとても大切です。そのため私は出来た問題についても間違えた問題と同じような質問をよくします。方程式であればそれぞれの項の意味から式全体の意味を細かく質問することはとても有効です。それにすんなり答えられれば理解していると分かりますし、答えられないのであれば何故出来たのか、無意識にどう理解していたのかを考えることで確かな力が付きます。漠然と理解していると言うのは悪くないようにも見えますが、進歩するためにはとても危険なのです。

私達が目指すのは確かな考える力の養成です。
テスト前に瞬間的な学力向上を目指すことも無いわけではありませんが、それを本来の目的とは考えていません。1つの問題が解けることではなくどう考えるかを考えてもらいます。時間はかかりますがそうすることでこそ本当の学力が付くと考えています。
なので考える方法を学んでもらう為に講師がお子様に質問をいっぱいするのです。