2013年5月13日月曜日

読解力の鍛え方


読解力は全ての科目の基本となる能力でありとても大切です。そんな話を以前にしました。
ではどうやってその力を伸ばせばいいのかが問題です。

私は国語の専門家ではありませんが、これまでの知識や経験から感じたことを書きたいと思います。

①文章の内容を他人に伝える。
まずしてほしいのは書かれていることを他人に伝える練習です。
話の内容を理解できていない場合に自問で何が分かっていないか探すのは難しいです。また分かっていないことすら分かっていないこともよくあります。
その分かっていない部分を明確に出来るのが人に伝えるという作業です。
当然のごとく内容を理解していないと話が出来ませんし、途中でわからなくなると詰まってしまいます。そんなときはもう一度読み見返してやれば大丈夫です。できれば話しているときに元の文は見ないほうがいいです。
内容を要約して話せるようになれば読解力は付いてきたと言えるでしょう。
具体的にやるのであれば新聞の短い記事を選んだり、ネットニュースの記事を選んだりして要約を保護者さんが聞いてあげるといいでしょう。
ここで重要なのは要約であり自分の意見は入れないことです。
ということでこれが出来たら次の段階です。

②自分の意見を加える。
まず大切なのは正確に内容を捉えることですが、より深く理解するためにはその内容について考える必要があります。
そこで要約とは別に自分の意見を加えてください。
自分の意見を持つためには筆者の意図を考える必要が出てきます。そして筆者の意図が分かるということは設問の出題者の意図も分かるということに繋がります。
テストなどで難しいといわれる設問の多くは内容自体ではなく設問の意図を理解するのが難しいのです。遠回しに言っていることの意味が分かれば内容自体は簡単ということも多々あります。
内容に対して自分はどう考えるのかを大切にしてください。

以前テレビで見たもので興味深いものが2つありました。
1つは国語の授業で教科書は一切使わず教師が用意した文庫1冊を1年通して読み込むというものです。一字一句を大切にして分からない言葉があれば調べますし、解釈が分かれれば議論します。農場の話が出てくれば行ってみて、知らない食べ物が出てくれば食べてみるといった授業だそうです。
もう1つは毎日の新聞から1つ記事を抜き出して、要約と自分の意見を書き出させるというものです。事件記事でも社説でも何でもいいそうです。
これら2つは別々の学校でしたが、どちらの学校でもそれを実施したクラスは国語だけでなく教科全体の成績が他と比較してとても良かったそうです。

最後にもう一つだけ、家庭内での会話を多くしてください。お子さんには学校であったことなど聞いてあげてください。何かを伝えようとするときには頭の中で経験や情報を整理します。これは文章の要約にも通じる作業だと考えます。
不確かな記憶ではありますが、家庭での会話量と成績には相関関係があるという記事があったように思います。
何にしても家庭の役割はとても大きいのでしょう。