2016年4月13日水曜日

人生で一番褒められたこと

もうだいぶ前のことになりますが、弟が結婚しました。
当然結婚式をするわけですが、我が家は父がすでに他界しているので私と母の2人が一番近い親族として出席することになります。
本来ならば気楽な兄の立場でいられたのかも知れませんが、今回は父親のするはずだった役割が回ってきてしまいました。

それは、親族代表の挨拶です。

私はこういう場合は新婦側のお父さんがするものだと勝手に思っていたのですが違いました。
新婦側からの気遣いだったのでしょうが私にご指名が・・・
寝耳に水とはこのことです。
弟の方が先に結婚するという場で未婚の未熟な兄にそんな役が回ってくるとは思いもしませんでした。
人前で話すなど全然得意でない私としては遠慮したい気持ち山々だったのですが、「出来ません」とはさすがに言えずやることに。

やると決まったからにはきちんとやりたいものです。ネットで一般的な挨拶の例文を探して幾つかを読み、それを元に自分用のスピーチ原稿を作成しました。余裕を持ってやればいいのに、やっぱりギリギリで式の前々日に原稿完成です。式は東京で行われるため前日入り、車椅子の祖母を連れて行くという大役もあり覚える時間がありません。原稿はメールでスマホに移していたので空き時間にこまめにチェック、しかし暗記は大の苦手で大苦戦。当日は式の合間にお酌に回りながら未だにスマホで原稿チェック、覚えたんだかどうなんだか状態でいよいよ本番です。

意外と落ち着いて出来た、というのが感想です。
ただ上手く出来たかといわれると内容も含めて自信はありませんでした。実際、予定していた内容を1行飛ばしてしまったし・・・
でもそれなりに歳をとったためか、塾の仕事で話す機会が多かったためか悪くはなかったと思いました。
一応の役目を果たしたことで私の出番は終わりです。「終わった、苦情は受け付けません!」そんな気分でした。

ところがその後です。
親族として披露宴の参列者を見送る際に多くの人が「スピーチ良かったです」と賞賛してくれるではありませんか。

「今日のスピーチの中で一番よかったです」
「良かったです。そういった仕事されてるのですか?」
「感動しました」

はじめはお世辞だと分かっていたつもりなのですが、あまりに多くの人が褒めてくれるので「本当に良かったのかも?」と思いはじめてしまいました。親戚からも「そういう仕事がむいてるんじゃないか?」と褒められ、弟の友達の中に私のスピーチで泣いている人がいたとか、2次会でも褒められまくった(弟談)とか良い情報ばかり入ってきます。
ここまでくると今度は疑心暗鬼になってしまう悪い性格が顔を出します。よっぽど出来ない子だと思われていたのだろうか?なんて。

しかしまあ、ただ一つ言えることは、私の人生の中で一番褒められた出来事だったということです。

そして褒められて悪い気はしません。
生徒さんもそれは同じでしょう。
どうしても勉強では間違いや悪いところを直すことが多くなり、ある意味注意ばかりすることになります。本当はそんなときこそ良いところを見つけてあげて褒めるのが大事なのだと改めて思いました。これからはより気をつけていきます。


なお、どうも私はスピーチが上手いらしいので講演依頼お待ちしております。(冗談です)