待ってくれている方がどれだけいるかは分かりませんが、一応解答編です。何のことか分からない方がいましたら1つ前の記事を読んでみてください。
しかし一応問題のおさらいです。
「1+2+・・・+62+63=?」
内容はとてもシンプルで手間を考えなければ順番に足していけばいいだけです。
なので生徒さんの中には一所懸命やってきてくれた子もいました。「電卓でやりました」という子もいて、確かに電卓禁止という条件はないのでそれもありですね。
ですがこの問題の面白さはそこではありません。何か楽に出来る方法はないかと考えることが面白さだと思います。ということで解答例を。
まずはΣ(シグマ)を使う方法でしょう。高校生ならば暗記しているであろうこの公式を使えば一発で解けます。すぐにこれを思い出せた方はきちんと高校数学をやった人ではないですかね。ブログでは数式が書きにくいのですが、
n
Σ k = 1/2 × n × (n + 1)
k=1
つまりn=63となり
1/2 × 63 × ( 63 + 1 ) = 2016
簡単に出来ましたがちょっと味気ない気が。それにこれは小中学生では無理ですから我が塾の解答としてはイマイチかと思います。
ということで次です。
私が一番お勧めなのはガウス計算の考え方ですね。という事で解法です。
1~63までを2回足します。そのときに一方は逆の順番から足していき、積み算にします。
63+62+・・・+ 2+ 1
+) 1+ 2+・・・+62+63
______________________
64+64+・・・+64+64
上記のように64の足し算が63個出来上がる訳です。そしてそれは本来計算したい量の2倍になっているので
64×63÷2=2016
簡単に出来ました。その上、最終的に出来上がった式はシグマを使ったものと同じになりました。面白いですね。
このやり方のお勧めな点は余分なものを加えて後で除くという事です。
主に中学までの数学はそこにあるものを何とかする、ということが中心です。そういう意味で必要ないものを自分で勝手に加えて計算を楽にするという発想はかなりの飛躍だと考えます。
実際この説明をしてひどく感心してくれた生徒さんもいました。これが数学の面白さだと伝わっていたら嬉しいですね。
ちなみに生徒さんの中には私の考え付かなかった発想をしてくれた子もいました。
その子はこの計算を図形的に捉えて考えてきました。
各項をピラミッドの様に上から積んでいき、それを台形と捉えて公式に当てはめて解くというものです。
○ ← 1個 ↑
○ ○ ← 2個
○ ○ ○ ← 3個
・ 63段
・
・
○ ○ ○・・・○ ○ ○ ← 63個 ↓
こんなイメージです。
1つを1cmと捉えて台形の計算をするのだそうです。
(上底+下底)×高さ÷2
( 1 + 63 )× 63 ÷2 = 2016
長さと数量を混同することには少し違和感がありますが、それでもシグマと同じ計算式になりました。面白いです。
そしてこれを中学生が自分で考えてきたことにとても感心しました。
私はガウス計算を知っているのでそこで満足してしまい、結果として怠けていたようです。
「図形的に考える」というのが有効なことは知っていたはずなのに全く思いつきませんでした。私よりもこの生徒さんの方が柔軟な発想力を持っていたようで、身が引き締まります。
そんなこんなで今年のお年玉クイズはいかがでしたでしょうか?楽しんでもらえたら幸いです。
解法例などと幾つか示しましたが、まだまだ面白い考え方はあるのかも知れませんね。多少でもこれを機に思考する楽しさを知ってもらえればと思います。
(などと偉そうに締めて、多少良い話っぽくして終わります)